いつかその日が来るまでは
いつかその日が来るまでは
薬品の香りが漂う真っ白な部屋。そこに彼は存在していた。清潔感にあふれた短い髪と長身で着こなす白い白衣が良く似合う爽やかな保健医。
それは私が好きになった、叶わない恋の相手だった。

「せんせーベッド使っていい?」
「葉月お前はまた!」
「いやいや今日はほんとに貧血ひどくて。」
「あー、ほんとだ顔色悪いな。」

そう言って先生は空きベッドに私を誘導する。
少しクラクラする体を気持ちで引き締めながらベッドまで歩いて倒れ込むようにベッドに横になれば先生がゆっくりと布団を私の上にかける。

「大丈夫か?」
「んー多分。大丈夫。私強い子だから。」
「馬ー鹿。強い子はここに来ません。」

少し馬鹿にしたように笑って私に背を向けた先生は何かあったら声かけて、とカーテンを閉めて見えなくなった。
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