いつかその日が来るまでは
小さく息を吐いて目を閉じると私の意識はゆっくりと遠退く。そして夢を見た。
夢の中には先生が出てきて私に笑いかける。
でもそれは特別な笑みじゃない、先生は生徒を贔屓しないから。いつも先生は先生。
笑ったままの先生のその笑顔が苦しい、そう感じて目が覚めると私の視線の先には私を見下ろす先生の顔。

「大丈夫か?」
「あ‥うん、大丈夫‥」

私を心配してるその顔が今は鬱陶しいと思える自分に辟易する。
そんな教師な顔で私を見ないで、そう思う自分に笑えてしまう。
だって先生は何一つ間違っていないのだから。
保健医が具合い悪い生徒を心配するのは当たり前のことで、当たり前であるから胸が痛い。
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