人間複製機
「陸人はどこ!?」


泣きじゃくりながらそう叫ぶので、あたしはナオの手を掴んでホテルの裏にある小さな空地へと移動した。


「ねぇマキ! 陸人が駅前にいるって言ったじゃん!」


「うるさいなぁもう」


ただの複製のくせに本当にうるさい。


あたしはナオを睨み付けてワンピースを無理やり脱がし始めた。


ナオはもうすぐ溶けて消える。


その前に全部返してもらわないとね。


「なにするの!?」


それでも複製のナオが暴れるのであたしは思わずその首に手をかけていた。


複製と言っても人肌の感触はちゃんとある。


首を絞められたナオは目を見開き何か言いたそうに口を動かしている。


けれど声は出ない。


そのままナオを地面に押し倒し、今度は全体重をかけて首を絞めた。

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