人間複製機
あたしの下でナオがもがき苦しんでいる。


顔は真っ青になり、口から泡がふき出て来る。


やがてナオは動かなくなった。


あたしは肩で呼吸を繰り返し、手早くナオの服を脱がせた。


ナオの体はあちこち青アザだらけで、あのおじさんが何をしたのか目に見えて理解できた。


全裸になったナオを黒いナイロン袋に入れて、口を堅く結ぶ。


そのタイミングでナオの体が溶けはじめたのがわかった。


プスプスと空気が抜けるような音が聞こえて来る。


「複製なんだから何をされたって平気だよね」


あたしは溶けて行くナオへ向けてそう言い、クスッと笑ったのだった。
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