人間複製機
「……ごめん。今はナオの言葉を信用することができない」


陸人が辛そうに顔を歪めてそう言った。


ナオが泣きだしてしまいそうな顔で陸人を見つめている。


不穏な空気が2人を包み込んでいるのがわかった。


「この前の告白の返事なんだけど……」


陸人の言葉に驚いた。


ナオは陸人に告白をしていたのだ。


複製機に気を取られていて全然気が付かなかった。


あたしは唾を飲みこんで陸人の次の言葉を待った。


「ナオとは付き合えない」


陸人の冷たい言葉が聞こえて来て、あたしはニヤリと笑ったのだった。
< 164 / 211 >

この作品をシェア

pagetop