人間複製機
マナはあたしがナオに売春をさせているんじゃないかと、勘ぐっているのだ。


それは大きな間違いだ。


「あたしは何も知らないよ。それに最近羽振りがいいのはアルバイトを始めたからだよ」


そう言うと、マナは驚いたように目を丸くした。


「アルバイトってダメなんじゃなかったの?」


「どうにか両親を説得して始めたんだよ。最近帰りが早かったもの、そのせいだよ」


「そっか。そうだったんだね」


マナはホッとしたようにほほ笑んだ。


友達を疑うことが心苦しかったのかもしれない。


「ごめんね、マキの事疑って」


「ううん、大丈夫だよ」


あたしはそう言い、心の中で安堵のため息を吐き出したのだった。
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