人間複製機
咄嗟に2人分の髪の毛を取って来たのが、これをどう利用するかで悩んでいる所だった。


2人とも今はあたしに対して疑念を抱いている。


そんな時に複製しても、あたしの思う通りには動かないかもしれない。


そう考えると簡単に複製はできなかった。


それでも、早いうちにあの2人を黙らせないといけない。


どうすればいいんだろう。


そう思って爪を噛んだ。


「あれ、マキ?」


そんな声が聞こえて来て顔を上げると、大雅が足早に公園に入って来るのが見えた。


「大雅……」


朝はいなかったくせに、必要のないときにはいるんだから。


「どうした? 早く帰った方がいいんじゃないか?」


大雅はそう言いながらあたしの隣に座った。
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