人間複製機
「ナオは怯えてるだけかもしれないし」


昨日はあたしの事を信じたようにふるまっていたマナだけど、本心は違ったようだ。


「ナオがあたしに怯えるって、なんで?」


あたしは首をかしげてそう聞いた。


マナが机の引き出しに教科書をしまい始める。


教科書が何か当たり、マナが引き出しの中を確認した。


その瞬間、顔色が変わる。


「ねぇ、マナ。どうしてナオがあたしに怯えるの?」


マナは返事をせず、写真を引っ張り出して目を見開いた。


「マナ。どうしたの?」


異変を感じたナオが近づいていくと、マナは咄嗟にその写真を隠した。


自分の全裸写真なんて誰にも見られたくないだろう。


「なんでもない。ごめんちょっと気分が悪いから保健室に行く」


マナは早口にそう言うと、写真を鞄の中にねじ込み、それを大切そうに抱えて教室を出て行ったのだった。
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