人間複製機
3Dプリンターだって出来上がるまでにもっと時間がかかりそうなのに、こんな箱で1分で複製が完成するなんて到底思えなかった。


「まぁ見てなって」


弘樹はそう言うと、一旦部屋を出てジュースを持って来てくれた。


出されたオレンジジュースをひと口飲んだその時、箱から機械音が消えてピーッピーッと電子音が聞こえて来た。


「できたよ」


弘樹はそう言い箱を開けた。


中を覗き込んでみると、そこにはCDが2枚入っている。


「こっちが複製された方」


CDを1枚取り出して弘樹はそう言った。


それに触れてみるとかなり熱を持っているのがわかった。


箱に入ったままのCDは熱くはない。


「聴いてみる?」


「もちろん」
< 65 / 211 >

この作品をシェア

pagetop