人間複製機
複製機が欲しいという気持ちはどんどん強くなっていく。


一度欲しいと思ったらあたしの気持ちは止まらない。


「嫌なら貸さないよ」


弘樹の言葉にあたしはハッと顔を上げた。


「それはいや!」


咄嗟にそう言っていた。


どうしても欲しい。


手に入れたい。


その思いが口をついて出てしまった。


弘樹がニヤリと口角を上げて笑う。


「じゃあ、今日1回使う?」


弘樹がそう聞きながらにじりよってくる。


あたしはその場から動けなかった。


あたしの財布には今2万円が入っている。


昨日お小遣いをもらったから、丸々残っているのだ。


これを4万円にすれば欲しいものがどんどん買える。
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