人間複製機
「あとは?」


そう質問をすると、弘樹は舌なめずりをしてあたしを見た。


「使用1回につき、俺と1回キスをすること」


キスという単語に全身に鳥肌が立った。


2学期に入ってからモテ始めた弘樹が相手だと言っても、あたしは陸人の事が好きなのだ。


好きでもない弘樹とキスなんて、したくない。


あたしは返事ができずに俯いた。


1回のキスでお金を増やす事ができる。


だけど相手は弘樹だ。


お金のために自分を売るという事だ。


あたしは下唇を噛みしめた。
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