アウト*サイダー

 リョウスケは余程だし巻き玉子が気に入ったのか、店について興味津々に、他にどんな物があるのか、どこにあるのか、食べに行ってもいいのか……など、ほとんど息つく暇もなく聞いてきた。

「そんな一遍に聞かれても……」

 話の内容よりも、さっきからまた焼きそばが危うく垂れ下がっていることに意識が持っていかれて仕方ない。

 この状態を放って置かれる焼きそばの気持ちを、彼は考えたことがないのだろうか。

「ああ、ごめん。でも、ほんと美味かったからさ!」

 そう言ったリョウスケの笑顔に悪い気はしない。自分が作った訳でもないが、鼻が高い気分だ。

 これは良い顧客になってくれる。営業スマイルとやらを浮かべ携帯のマップを開いて丁寧に店の住所を教えると、祖母の家が近所だったらしく何度か前を通ったこともあるらしい。

「世間は広いようで狭いなぁ」

 まるでおじいちゃんみたいにしみじみ言って、危うい状態だった焼きそばがやっと救助された。

 私も一安心して、冷えて固まっているご飯を箸でブロック状に切り分けて食べ進めた。
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