アウト*サイダー

 そんなリョウスケママの言葉たちが右から左なケイの後ろ姿を、私は疑問を投げ掛けるように凝視する。

 さっきの東屋でのリョウスケとのやり取りや、彼の口から出た女性の名前。

 私の知らないケイは、あとどれくらい、いるのだろうか。

 私の知ってるケイが、彼の中のほんの一部でしかないという事実に焦りはじめている。しかも、よく考えてみれば彼が私を好きになった理由も知らない。

 今はまだ私を見てくれていても、いつか、他の誰かを好きになる可能性なんて十二分にあるわけで……。

 負の疑問ループの入り口に足を突っ込もうとしていた、ちょうどその時。

「ハスミは、バイトとかしてるのか?」

 振り向いたリョウスケが私に問いかける。ケイも私の返事を待つように顔を向けた。

「私は親の手伝いがあるから、バイトとか考えたことなかったな」

 ケイの目から逃げるようにリョウスケを見る。いつもより騒ぐ心の中が悟られそうで怖くなったから。でも……

「あぁ、そっか! そうだ、今度ハスミん所に食べに行きたい!! な、ケイ?」
 
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