アウト*サイダー

 冷たく言い放ったケイの言葉で、その場の空気が凍りついた。

 言い返そうと口を開いた取り巻きだけど、彼の無表情で無言の圧に気圧され、何も言えなくなっていた。

「その点で言えば、優等生ぶろうが、偽善者だろうが、男に媚びてようが、一人を集団になって陥れようとする奴よりかは真っ当な人間だと思うけど」

 庇ってくれたことに一瞬だけ胸が熱くなったが、よくよく聞き返してみれば、私の悪口をどれも肯定していて、微妙な気持ちになる。

 ここは私がどれだけ素晴らしい人間かを力説するべきとこだろう……と、冗談を思い付くほどには立ち直った私の手を取って歩き出すケイの後ろを、黙ってついていく。

 河西さん達が今どんな感じなのかなんて見ずとも分かるけれど、ただ、ハルちゃんだけが気がかりで振り向いた。

 私を睨み付ける彼女達の側で、ハルちゃんは小さな自分の手を握り締め、俯いていた。その表情は何も見えなかった。

 結局、また私は何も出来なかった。

 そう自分を責めて、ふと思い出す。堀江君の、あの裏のありそうな言葉を。本当に、あの言葉のままの意味なら、ハルちゃんをクソ女郎共から助けられるかもしれない。

 いいや、もし、今度は腹黒い野郎の手中に嵌まってしまったら?

 手っ取り早く、ハルちゃんが自分の正直な気持ちを口にしてくれたら……と、思う自分勝手さに呆れて、何も考えたくなくなった。我思う故に我……が嫌になった。
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