シンシアリー
「ユーグ」
「はい姫様」
「エイダさんは・・・?」
「母はまだヴァレクストラ家にいます。あそこの薬局で手伝いをすることで、かなり気を休めることができている様です。ですから、母上なら大丈夫ですよ」
「そう・・。それを聞いて私も安心したわ。それじゃあ、ユーグ。送ってくれてどうもありがとう」
「いえ。また明日、本日と同時刻にここに参ります」
「ユーグ・・・」
「はい?姫様」
「あの・・あなた、警備隊の方に戻らなくても良いの?」

心配顔で覗き込むレティシアに、ユーグは普段以上にドギマギしながら「いいんです!」と答えた。

「俺は、姫様専属の護衛騎士になったんですから」
「・・・え・・・?」

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