シンシアリー
片時も離れたくない
「そう仮定すれば、全てのことに対して辻褄が合う。恐らく父は、調べていくうちにヘルメース公子が・・と疑惑を抱いた。相手が相手故に、十分に慎重を期した上で糾弾する必要がある。だから誰にも相談せず、一人で確固たる証拠を得ようと、あの夜単独行動に出、そしてヘルメース公子に出くわした。もしかすると、父は公子を説得しようと試みたのかもしれない。それとも、父自らが公子の命を絶つことで、犯行を終わらせようとしたか。それとも、父が犠牲になることで、公子の目を覚まさせようと・・・人の命を勝手に絶つことは、人として、してはいけない悪事なのだと教えたかったのかもしれません。ただ、俺はその場にいなかったから、あくまでも俺の想像でしかありませんが」
「で、でも、ヘルメース・・異母弟はまだ13歳なのよ」

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