シンシアリー
『首切りは病気だ。精神的に病んでいる。恐らく本人ではもう、歯止めが効かないところまで来てしまっているのやもしれん・・・』

突然立ち止まったユーグを仰ぎ見ながら、レティシアは「ユーグ?」と呼んだ。

「・・・そうか。あのとき父上は油断したか。相手はまだ“子ども”なのだと・・いや、希望を抱いていたのかもしれない・・・」
「ねえユーグ。一体どうしたの?」
「それにさっきの口調。“反逆者”や“愚か者”・・・。あの、姫様。もしかすると、ですが・・・一連の惨殺犯、そして父を殺した“首切り”は・・・」
「ヘルメースかもしれない」

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