シンシアリー
動機は不純かもしれない。だけど利害関係は一致する。
ならばここは二人、仲睦まじく、結束した関係を築いていくべきというレティシアの思惑が、子どものコンスタンティンにも理解できたのだろう。
何より、コンスタンティンは、大好きだった両親を不慮の事故で突如亡くして、心のよりどころを失っていた。

・・・国王とは名ばかりのもので、僕はただの飾りでしかない存在に過ぎず、「国王様」と言い寄ってくる者たちは皆、己の利益になることしか考えていない。でも、レティシアは違う・・・。

両親の死後、ずっと孤独だったコンスタンティンが、外部者(よそもの)のレティシアとユーグを自分の味方だと認め、彼らに対して心を開くことにそれほど時間がかからなかったのは、当然のことだと言えるだろう。

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