シンシアリー
「王妃様」
「私はもう、王妃じゃないわ」
「あ。そうでした。では・・・姫様」
「私は姫でもない。ただのレティシア。ついに自由を得たレティシアよ」
「それでも俺は、ずっと貴女のそばにいて、貴女をお護りしたい。貴女の護衛騎士として。そして、できればその・・・・・・貴女の夫、として」

・・・言った。ついに言ったぞ・・・!

「・・・ぇ・・・?」

・・・ユーグは今、夫と・・・私の夫、と言ったのよね・・・。

ついに、最愛の女性へ「プロポーズ」をしたユーグは、自分の心臓の鼓動を、自分でも煩いと思うくらい、バクバク響かせていた。
そしてレティシアは、驚きで目を見開きながら、ただユーグを見ているばかりだ。
しかし、そんなレティシアの表情も、とても愛おしいと改めて思ったユーグは、固まっていた表情をやっと和らげ、すっと一歩前に出て、二人の間の距離を詰めた。
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