シンシアリー
全ては誰のため
アンドゥーラ公国の女性は参政権を持っていない。これは建国当初から決められた法律である。
もう100年以上続くその法律がすっかり定着してしまっている今、たとえ世継ぎの男子を産んで公妃になっても、自分の世代で権力を握ることができないことは、アレッシアにも分かっていた。
それほどすぐに「改革」が達成するとは、アレッシア自身思っていなかったし、「自分さえ良ければいい主義」のアレッシアは、全ての成人女性に参政権を与えたいとは思わなかった。

・・・権力を握って贅沢三昧な生活を送るのは、わたしひとりで十分よ・・・。

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