ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)
「ちょっと、僕も掛けてみます」

携帯を取り出して掛けてみた。が、『電源が入っていないか電波の届かない…』ってお馴染みのセリフが繰り返されるだけで、繋がらない。

「ダメですね…」

そんなに大事になっているのか?どうしたらいいんだろう。僕はミライとここに居てもいいのか?

「しばらく様子を見たほうが良いだろうな。昼頃にでも、折をみて掛けてみるといい」

と、教授が新聞を手に取って鼻メガネで読み始めた。

「はい、そうですね…」

とは言ったものの、所長と連絡が取れないとなると、これからどうしたらいいのか見当も付かない。まして、さっき飛び出して行った広海君には何と言って声を掛けたらいいのやら…。

(どうなるんだよ~)

どうにも不安なんですけど、教授。
< 200 / 324 >

この作品をシェア

pagetop