探偵喫茶へようこそ


知由は納得し、雪兎が淹れていたコーヒーを飲んだ。



「わあ、怖い」



すると、横で夢里が声を上げた。


だが、知由は冷めた目で夢里を睨む。



「……棒読みにもほどがあるぞ」


「だって、そんなこと気にしてたら芸能人なんてやってられないもん」



開き直っているようにも取れるが、知由はそうだな、と腑に落ちた。



「そう言えば、夢里さんのスクープ的なもの、聞きませんね。事件になったのに」



雪兎は洗い終えたカップを拭きながら思い出した。



「お金の力は怖いのよ」



そしてなぜか、夢里は胸を張って言った。


そんな夢里に、知由は呆れて言葉が出ない。



「あの、すみません……」



すると、弱りきった一人の女性が、雪兎を呼んだ。



「はい、なんでしょう?」


「ここに探偵がいる、という噂を聞いてきたんですけど……」



彼女の言葉に、知由は顔色を変える。


知由のやる気を横目に、雪兎は彼女に答える。



「ご依頼ですね。探偵喫茶へようこそ」




< 154 / 156 >

この作品をシェア

pagetop