探偵喫茶へようこそ


「……知由の言う通りだけどさ。私、施設で親の愛情を知らない子になってたらどうしようって思ってもいたんだよ? だから、引き取られたって知って、それはもうショックだったけど、よかった、とも思った」



夢里の言葉に知由は驚き、そして嘲笑った。



「下手くそ」


「もう、そんなすぐ見破らないでよー」



夢里は知由の肩を揺らした。



このやり取りを見ると、どっちが大人かわからない。



そう思った雪兎と夏芽が苦笑した。



「そうだ、一つ気になったことがあったのだ。なぜ、真壁洋一が夢郷未咲が結婚しているだけでなく、あたしのことも知っていたのか」


「それは私も不思議だなって思った!」



ころころと表情を変える夢里が、本当に知由の母親かと、知由自身が疑ってしまう。


そんな夢里を無視し、知由は雪兎に質問を続ける。



「ウサギ、正広から何か聞いていないか?」



雪兎は話すか迷ったが、知由の威圧に負けて口を開いた。



「……その人、夢里さんのストーカーだったみたい。それで、夢里さんと洋一さんが施設に行ったとき、ちぃちゃんの名前を聞いたみたいで……」



「それであたしの存在を知ったというわけか」

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