探偵喫茶へようこそ
「ついでに言うと、赤い薔薇三本の花言葉は、あなたを愛している、だ。滋、相当愛されているなあ」
「からかわないでよ、みさきちゃん」
そう言いながらも、きちんと薔薇を受け取る滋。
「それにしても、よく考えたな、この暗号」
「素直に言葉にするよりいいかなって。それに、こうしたら、少しでも滋が私のことを思う時間が長くなるでしょう?」
さっきまで涙を浮かべていた人と同一人物とは思えないような、悪い顔をしている。
「滋が花言葉を知っていたことにも驚いたがな」
「あー……ネット?」
滋は苦笑混じりに言った。
「それは自力で解いたと言えるのか?」
知由は疑いの目を向ける。
滋は思いっきり目をそらした。
「どうかなー……言うんじゃない?」
滋の曖昧な言葉に、知由も夏芽も声を上げて笑った。
すると、滋の携帯が鳴った。
「もしもー……」
「滋! 今すぐ、三崎を連れて帰ってこい!」