探偵喫茶へようこそ

3



捜査本部では、それぞれが集めた情報が報告されていた。



「誘拐された子供たちには、共通点がありません。あるとすれば、この市内の小学校に通っている低学年の女子、ということくらいです」


「つまり、何もわからなかったわけだな」



前に座って報告を聞いている正広は、厳しく言った。



「……すみません」



その刑事は小さな声で言い、着席した。



「次の報告は?」


「もうありません」



一人の刑事がはっきりと言った。



「……探偵側。何か掴んだんだろ?」



正広は後ろの方に座っている雪兎たちに呼びかけた。



すると、滋が勢いよく立った。



「僕が集めた情報と、海が集めた情報、似たようなものだったから、僕が報告するね!」



睨まれている状況だというのに、滋はいつも通りの口調で、笑顔だ。



だが、今回文句や陰口を言う人はいなかった。


警察が掴めなかった情報を知っている相手に、そんなことできなかったのだ。

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