探偵喫茶へようこそ
コーヒーをのんびり淹れている場合ではないため、雪兎はお茶を出すことにした。
「ご依頼内容は……?」
彼女の前にコップを置き、彼女と向かいの位置に腰を下ろした。
「これ、見てください」
彼女は鞄から開封済みの封筒を出し、雪兎に渡した。
「これ……本当に、夢郷さんに送られたものですか? 夢里って書いてあるので、人違いでは……」
「夢里は私の本名です。三崎夢里(みさきゆめり)。夢郷未咲は芸名なんです」
それを聞いた途端、雪兎は目を見開いた。
一弥と海は耳を疑った。
三崎夢里。
ということは。
「アイツがあの悪魔の母親……?」
「だから三崎、真相がわかるって言ってたのか……」
一弥は納得したような顔をしている。
それでも、謎はまだ多く残っている。
「この洋一(よういち)という方は、お知り合いですか?」
「元旦那です」
夢里は包み隠すことなく、はっきり言った。