探偵喫茶へようこそ
「そうですか……それで、どういったご依頼ですか? この犯人を捕まえますか?」
雪兎は脅迫状を封筒に戻し、夢里に返した。
夢里は受け取り、鞄に入れる。
「違います。ただ、ボディガードをしてもらいたくて」
「犯人を捕まえることも出来ますよ?」
雪兎は不思議そうに首を傾げる。
「警察ごとにはしたくないんです。あと、警察に知られたらマスコミに伝わるでしょう? 元旦那に狙われた、だなんて知られたら……」
夢里は語尾を濁し、俯いた。
「三崎……子供の存在もバレるかもしれない、か?」
すると、それに続くように一弥が言った。
「なっ……」
夢里は予想外の言葉に、驚かずにはいられなかった。
「驚いたなあ。夢郷未咲は今二十五歳。三崎は九歳だから……十六のときの子供か? そっちのほうがスキャンダルじゃねーの?」
一弥はまるで知由のように、夢里に言った。
「どうして……どうして知由の存在を……」