探偵喫茶へようこそ
夢里は動揺している。
「あたしがここにいるからだ」
すると、調理場から知由が現れた。
「あなたが……知由……?」
夢里はその場に立ち上がり、知由の顔を見つめる。
「ああ、そうだ」
知由は歩み寄ると、雪兎の隣に座った。
「ちなみに、親父にも会ったぞ。あんたを殺すために、あたしを利用しようとしたみたいでな」
「そう……」
夢里の言葉を境に、全員が黙る。
「ところで、知由梨、という名は知っているか?」
知由の質問に、夢里は疑問符を頭に浮かべた。
「知らないけど……」
「そうか。では、あの犯人の作り名か」
知由は自己完結させ、何の説明もしなかった。
「何の話?」
夢里が質問するも、知由は説明しようとしなかった。
「こっちの話だ。気にするな。それで? ボディガードだったか?」