ピーターパンシンドローム

fall

『fall』

また会おうなって笑って
突き放すように肩を押して
見送った広い背中は

遠ざかってく夏みたいだった

飛び交う白球
砂埃
過ぎ行く時の美しさとか
空の色とか惰性とか

何も無い日々が特別だなんて
ベタな台詞聞き飽きてたのに

全部持ってかれたように褪せていって

それから初めて思い知る

君が去って夜が更けて
明日になって
また夜になった

曇らせないように磨いてたはずの窓の外
見慣れてた姿がぼやけてって
影になってく

また会おうなって言葉の裏に
隠してたのは
密かな熱情

融けそうで僕は焦る

青い葉はいつの間にか落ちて
もう秋が来るから
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