ピーターパンシンドローム

希求

『希求』

サイレンが鳴って走り去った
暴かれて濡れる
僕の指は冷たかった

薄墨に染まる

雲の流れと人の群れ
欠けた月とアスファルト

逆行するように君は歩いて
素知らぬ顔で笑ってる

灰が飛んで
泥が跳ねて
白いシャツが汚れたって

誰かが悪い訳じゃないから

混沌と戯れる街の片隅で
僕だってひとり鳴いてみる

君の背中に魅せられるまま

開き直って鳴いてみる

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