夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】

自分の年齢で絵本が好きなんて、おかしい事なのだ。
そう思って口籠る僕に、彼女は声を弾ませて言った。


「いいですよね〜絵本!
子供達の為に買ってるなんて口実で、実は私が好きなのかも知れません」

「!……えっ?」

「私、小さい頃あんまり絵本を持ってなくて……。
その反動ですかね?今、子供達に読み聞かせながら……実は自分がワクワクしてるんです」

驚いて顔を上げた僕に、アカリさんは少し照れ臭そうに微笑む。


その時トクンッて、鼓動が優しい音を立てるのが分かった。
彼女のその言葉が嬉しいのに、何故だか涙が溢れそうになった。

同時に、大丈夫だって、思ったんだ。


「……絵本も、好きです。
……。けど、アカリさんの声も……綺麗です」

「……え?」

「だから……。
もう一度、っ……もっと、聴きたいです。
読んで、もらえませんか?」

アカリさんの瞳を真っ直ぐ見て、素直な気持ちを伝えた。
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