夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
ユウさんとこうして会うのは二週間ぶり。
四月の下旬に少し離れた町に引っ越しをして、そこの新しいお店の店長さんになったユウさん。
暫くバタバタしていたけど、なんとか落ち着いてようやく休みが取れたからって、今日は私に会いに来てくれたのだ。
恋人同士と言っても、私達の間にはまだ微妙な距離がある。
手も繋がなければ、結局額にされたキス以外あれ以来何もない。
まるで、子供のようなお付き合いだった。
私はそれが自分のせいだと分かっていながら、無理強いをしないユウさんに甘えてる。
酷い女。
友達以上恋人未満のような今の関係がずっと続けばいいと……。思っていた。
そんな都合の良い話、ある訳ないのに。
……。
保育所のお迎えまでまだ少し時間のあった私は、ユウさんに誘われて街外れにある並木道を一緒に散歩。
春になれば桜が満開に咲くこの場所も、今は初夏の青葉が茂っている。