夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】

「アカリの口からハッキリ聞かせてほしい。
ハッキリ、答えてほしい。
……アカリ、僕は君が大好きだ。
僕と結婚して、一生付いてきてくれないか?」

答えてなんて、分かっている告白。
側から見たら、バカみたいな告白かも知れない。

……けど。
僕の告白を聞いて、一度俯いたアカリが涙を拭って顔を上げた瞬間に、それは間違いではなかったと気付く。

瞳が重なってドキンッと跳ね上がる鼓動。
惚れ直してしまう程に美しい強い瞳をした彼女が、僕を射抜いたからだ。


「っ……私は、ヴァロンが好きっ。
ヴァロンの事が、大好きです!」

僕の想いに応えようと必死なアカリが、僕の目の前に手の平を開いて、握り締めていたアクアマリンの指輪を差し出す。


「だからっ……!
ユウさんとは、一緒にいけません!ごめんな、さいっ……!!」

その返された指輪と、”ごめんなさい”の言葉。
痛くて悲しいはずなのに、僕は微笑んでいた。
< 77 / 322 >

この作品をシェア

pagetop