赤い華
しかし不幸は続くものだった。
私が高校1年生、翔太が中学1年生のときたった1人の肉親だった母が他界した。自殺だった…………。
母が自殺する何日か前に母の辛さを私はお兄ちゃんと自分の目で確かめたのだ。
夜中お父さんとお母さんは裸で必死に抱き合っていた。
「お前のお母さん、身体を全て親父に捧げてるんだぜ、お前と翔太のためにって。」
信じたくなかった。でも目の前で繰り広げられていることは紛れもない事実で私はどうすることも出来なかった。
お母さんとの最期の会話はとても意味深なものだった。
「翔太はいい子よ。サユリも素敵な子。」
あのときは全く意味がわからなかった。