悪魔の囁きは溺愛の始まり
渡部さんが電話を切る音が聞こえた。


「青山、伝え忘れた事があるらしい。本人と直接話をしたいそうだ。」

「………はい。」


甦るのは蒼大さんと女性の姿だ。

明らかに蒼大さんは彼女を睨んでいたが、遊ばれて捨てられた彼女の気持ちも分かる。

蒼大さんの噂を耳にして追い掛けて来たのかもしれない。

つまりは彼女にとって遊びではなかった?

『割り切った関係』

割り切れていなかったのだろう。


「青山、少し話がある。会議室でいいか?」

「あっ、はい。」


岡崎部長との事だろう。

仕事先とのトラブルはリーダーとしての立場があるだろうから。

呼ばれた原因は分かっているので、仕方なく渡部さんについて会議室に向かった。


「青山、説明できる?」

「………。」

「言いたくないのは理解してやれる。だが仕事上、トラブルは避けたい。」

「………はい。」


渡部さんのリーダーとしての立場を理解すると話さざるを得ない。
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