悪魔の囁きは溺愛の始まり

逃げ道

心を落ち着かせ、自分の席へと戻る。

すでに渡部さんが仕事をしている姿が目に入ってきた。

平常心を保ちながら、自分の席へ座り、残りの仕事に取り掛かった。


「青山、まだまだか?」

「はい、渡部さんはお先にどうぞ。」

「終わったら送っていく。副社長は帰ったんだろ?」

「大丈夫です。」


渡部さんを視界からシャットアウトするように立ち上がり、資料室に向かった。

『私は恋愛に向いてないのかな?』

ふと蒼大さんと再会するまでの日々を思い返してみる。

波羽や琴音と飲みに行ったり、旅行に出掛けたり………。会社の同期とも同僚とも飲みに行ったりして楽しんでいた。

終電を逃した友達と朝までカラオケしたり、友達と過ごす日々を楽しんでいた。

最近は―――


「渡部さんと飲みに行ったりしてたかな。」


渡部さんの想いを知るまでは二人や同僚と一緒に飲みに行ったりしていた。

仕事も充実していたし、それなりに楽しい日々を過ごしていた。
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