悪魔の囁きは溺愛の始まり
隣で立ち上がる気配を感じ、その代わりに、波羽と琴音が隣に座るのを目で追う。

大きな溜め息を溢す私の肩を組んできた琴音を見た。


「花、約束を覚えてる?」

「バカンスの恋?」

「ビンゴ。ダメ?イケメンでしょ?」

「………まあ、私はどちらでも。波は?」


視線を動かして波羽を見る。笑みを浮かべる波羽の答えは分かってしまった。


「3人ともがイケメンなんて、絶対に他にはいないよ。」

「でも遊んでそう。」

「花、バカンスの恋は『ひとときの恋』でしょ。いいの、お互いが分かっていれば。」


ハワイの開放的な環境に、二人ともがバカンスでの恋に憧れてしまっているのが伝わってくる。


「花、ダメ?」

「………いいんじゃない。イケメンだし、割り切れるなら言うことないけど。」

「決まり。花、戻ってきたら愛想を忘れずにね。」

「はいはい。」



私達のバカンスの恋が幕を開けた。
< 17 / 200 >

この作品をシェア

pagetop