闇にのまれた光
再会
……は……?

月羽様と同じ名字……
ザワザワと騒ぎ出す

(ガタッ

『……れ……ん……っ?』
レン「……?!……月羽……?」
『レンっ!!!!!!!!!!』
私は抱きついた。
あぁ……無事だった。
生きていた。
私の兄。唯一無二の私の片割れ。

レン「月羽……月羽っ……!」
レンも抱き締め返してくれ、泣きながら顔をうずめた。

『会いたかった……会いたかった…………ごめん……っごめん……っ』
レン「……いや……。あれは仕方なかった事だから。会えてよかったよ、月羽……。生きてたんだね……」


宮城「おいおい兄妹かお前ら?」
レン「……はい。俺の実の妹です。幼い頃生き別れになって……俺の……片割れなんです……」

宮城「そうか。会えてよかったな。
よしっ、自習だ。お前ら、思う存分話しておけ。」


『ありがとうございますっ……!』
レン「ありがとうございます。」


先生が出ていってから、私の席まで案内した。
『ここが私の席だ。』
レン「そうか……ここで授業を……」

『うん。レン……レンが転校生だったんだな?』
レン「うん。……びっくりしたよ。こんな所に月羽がいるなんて、思ってなかった。」

『私だって……』
美代「ほらぁ~感動の再開なんだしぃ~月羽の部屋に移動したらぁ~?」
歩「今日くらいサボってもいいんじゃない?」

『あぁ、そうだな。レン、移動する。』

シュッ
移動した先はもちろん私の部屋。
真っ暗な、私の部屋。

レン「……月羽…会いたかった……」
『……あぁ……会いたかった……ずっと……探していたんだ…っ』

レン「……月羽……変わったね……」
『え……?』
レン「何かされたんだよ……苦しかったね……怖かったよね…一人にしてごめんね……きっと辛かったよね……きっと……俺の名前も呼んだんだよね……っ

助けに行けなくてごめんね……馬鹿な兄でごめんね……」

『……謝る必要は無い。全ての発端は私だから。レンが気を負う必要は無いんだ。』
レン「違う……違うよ月羽……。あいつを暴走させたのは…あいつ自身だよ…月羽…昔は……部屋は明るかったのに……どうして暗くしたの……?」

『……あいつが……私を白い空間へ閉じ込めた。……だから、あれからトラウマになってしまってな。』

レン「……っそっか…監禁……されたんだね……逃げてきたの……?」
『あぁ……五年前に…。』
レン「……そんなに長く……っ。
……ごめん……」

謝る必要は無い。
そう言おうと思っても、レンの泣く声で遮られた。

レン「辛かったよね……っ一人にしてごめんねっ……ごめんねっ……ずっと、ずっと一緒だったのに…っ急に一人になって不安だったでしょ……?怖かったでしょ……?

もう……絶対離さないから……っ、間違った選択は……もうしないから……。」

『……レン……。』
レン「あいつのせいで……月羽の性格は変わったんでしょう?そんな男みたいじゃなかった……月羽……口調なんて変えなくていいんだよ……。」

『……っごめん……』
レン「え……?」
『……辛い思いさせてたのは……レンだって同じだから……。一人ぼっちで……森をさまよい歩いて……怖かったね…っ私が無理にでも突き放して殺していたら……きっとレンは今頃ずっと一緒で……』

レン「でも…、離れても双子の片割れは変わらないから。二人で一つ。一人が離れても、たぐり寄せられる。俺達はそういう運命なんだよ……。」

『……そう…だよね…さぁ、レン。もう1度学校へ行こう?…』
レン「うん。」

離さないように手を繋いで、瞬移した。

わぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!
そんな歓声が響く。
誰もが祝福してくれた。

美代「おめでとう~!!!!!」
歩「よかったね。」
二人共涙ぐんで。

『ありがとう、美代、歩。』
レン「月羽のお友達?」
『うん。私の初めての、友達だよ。』

レン「月羽がいつもお世話になってます。これからもよろしく頼むね。」
レンらしい、言葉だった。

美代「も、もちろんだよぉっ!!」
歩「うん。」
『ははっ、あぁ……そうだレン。レンのパートナー、知らないよ?』

レン「あぁ……パートナーね。うーん…教えたくないんだけど……」
現れたのは2体の私と全く同じパートナーがいた。

ケツァルコアトルがアル。
ドライアドがドール。
よろしくしてやってね。」

『あは…ククッ私のパートナーは……』
全員が、出てきた。
『このケツァルコアトルがクロ。
ドライアドがカレン。
ガンダルヴァがアイン。
フェニックスがフィア。
ティアマトがハク。

私の大好きなパートナー達だよ。』

パートナー達が、驚きで顔を見あせた。

クロが
「我が……生き別れた兄弟よ……っ!」
そう、呟き抱きしめった。

次々と抱きしめ合う四人のパートナー達。

……まさか……生き別れた兄弟や姉妹?

レン「驚いた……。まさか生き別れた兄弟達が俺達双子に片方ずつ居るとは……」
『そうだよね……。でも、よかった。生き別れた兄弟や姉妹に会えて。』

教室はパニック状態だった。
まさかそんな事が……
会長ですらも、手に負えない。

『静かに。』
私の声で、みんなが静まった。
『パニックになるのは分かりますが、あなた方はSクラスの人間です。少しは余裕を持ってください。』

その一言で、
クラスの士気が高まった気がした。

異空間へパートナー達を移動させてから、授業が始まった。
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