失恋の傷には媚薬を
「挨拶が遅れて申し訳ありません。楓さんとお付き合いさせて頂いています、横峰です」
『亮平さんっ、』
亮平さんが姉に挨拶をしたのを
私はやめて、と亮平さんの腕を取る
でも亮平さんは
大丈夫だから、と優しい目で訴えてきた
「横峰亮平さん?姉の詩織です。妹がいつもお世話になっています」
二人のやりとりを
私と両親はハラハラしながら見守っていた
「楓にお姉さんがいるのは聞いてました。とても綺麗なお姉さんだと」
あら、ほんとう?と
まんざらでもない顔をしている姉は
私が知っている大好きだった姉とかけ離れていた
「もう少しいいじゃない?楓に話もあるし」