失恋の傷には媚薬を


『亮平さん、他にはない?私に話さなきゃならないこと…ない?』



健ちゃんが教えてくれた話は
もっと決定的なものだった



「…ないと思うけど。何かあった?」



亮平さんはそう答えた
言うか言わないか迷った


『お姉ちゃんのことで、私に隠していることはない?これで最後にしたいから』


亮平さんの目を見て伝えたら
なにもない、と返ってきた
私もわかった、と言い
姉の話を終わりにすることにした


正直、消化できていない
亮平さんがなにもないと言っている以上
追求することはしたくない

じゃぁ、どうしたら…


考えた私は
亮平さんと姉たちが偶然出会ったbarに
行ってみようと思った
亮平さんには実家に帰省すると伝えた

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