失恋の傷には媚薬を


達彦の性格がいいからだな、と思うが
そのぶん、お誘いが多い
だからなかなか会う機会が減ってしまった
平日の夜は殆ど会えていない

それでも、こうして時間を作って
結婚へと進んでいる
今日だって
二人で暮らす部屋を探しに行くんだ


「達彦くん、楓をよろしくね」


「はい、わかりました。行ってきます」



『詩織お姉ちゃん、行ってくるね』



外に出ると、達彦の愛車スカイライン
助手席は私の特等席だ
いつものように乗り込み
シートベルトを締めた



『今日で決められたらいいね』


ハンドルを握った達彦に話しかけるが
返答がなく、達彦を見ると
難しい顔をしていた


達彦?と再度声をかけると
あ、ごめんと気づいてくれ
車を発進させた

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