失恋の傷には媚薬を
どんなことがあっても俺が守る、かぁ…
数年前、そういうふうに言ってくれた人がいた
でも彼は私を守ってくれなかった
だからもうそんな思いをしたくはない
そう思っていたのに
横峰部長の、
あの真剣な眼差しに
勝手に“はい”と返事をしていた
「そんなこと言われたんですか?」
やりますねぇ、部長
ニコニコしながら
フェンスに背を預けながら
コーヒーを飲んでいる里奈
…っ、えっ、えっ?
『り、り、里奈っ、いつから、いたの?』
一人になりたくて
昼休みに屋上へ来ていた私
里奈の登場に動揺を隠しきれない
「なーんか、変だなって思っていたんです。今日は特に心ここに在らずって感じです」