転職先の副社長が初恋の人で餌付けされてます!
朝。李江は、目が覚めて、頭がとてもクリアで、熟睡できたのだと思った。しかし、体をおこして、周囲を見回し、そこが自分の部屋では無いことに気づいてぎょっとした。当然服は夕べのまま。そういえば化粧も落としていなかった。見ると、すぐ近くの床で、拓武が眠っている。
「そうだった……」
昨晩の出来事を思い出して、李江は頭をかかえた。
拓武より先に起きて、始発に併せて部屋を出ようともくろんでいた李江だったが、既に七時を過ぎている。このまま部屋を出て行くべきかとも思ったが、黙って帰るのも失礼であるし、かといって、拓武が起きるのを待って、ろくに化粧もおとさずに寝てしまった無様な姿を見せるのもイヤだった。黙って洗面所を借りるべきか、悩んでいるところで、拓武も目覚めたらしく、起きあがった。寝起きの顔を見られるのは、と、李江はあわてて毛布をかぶる。
「あ、おはよう、あれ? 俺、床で寝ちゃってた? ……って、芦名さん?起きてる?」
このまま、消えてしまいたいっ……、李江は、毛布の中にうずくまる。
「あー、ゴメン、身支度、したいよね、俺、あっち向いてるから、洗面所、使って」
拓武の気遣いで、無事李江は最低限の身支度を整えた。スカートに入ったしわなどは、この際、ささいな事というものだ。
「そうだった……」
昨晩の出来事を思い出して、李江は頭をかかえた。
拓武より先に起きて、始発に併せて部屋を出ようともくろんでいた李江だったが、既に七時を過ぎている。このまま部屋を出て行くべきかとも思ったが、黙って帰るのも失礼であるし、かといって、拓武が起きるのを待って、ろくに化粧もおとさずに寝てしまった無様な姿を見せるのもイヤだった。黙って洗面所を借りるべきか、悩んでいるところで、拓武も目覚めたらしく、起きあがった。寝起きの顔を見られるのは、と、李江はあわてて毛布をかぶる。
「あ、おはよう、あれ? 俺、床で寝ちゃってた? ……って、芦名さん?起きてる?」
このまま、消えてしまいたいっ……、李江は、毛布の中にうずくまる。
「あー、ゴメン、身支度、したいよね、俺、あっち向いてるから、洗面所、使って」
拓武の気遣いで、無事李江は最低限の身支度を整えた。スカートに入ったしわなどは、この際、ささいな事というものだ。