* switch *

あり得ない

私を連れ出したのは お兄ちゃんだった。二人で走り抜け、エレベーターに乗り ホテルのロビーを通り お兄ちゃんの車に乗った。

「月夢ごめん。お兄ちゃんの独断で連れ出した。だけど…多分これが正確だよ。とりあえず、一緒に来てた人に連絡して。」

「お兄ちゃんも招待されてたんだ?だけど逃げて良かったのかな?」

「ああ月夢が悪い…俺の推測だと、明日から月夢 TVの顔になると思う…」

「はぁ?何でそうなるのよ?」

「お前が可愛い過ぎるからだ。何でそんなに可愛くしたんだよ?髪もメイクも服も…」

「お兄ちゃんだけだよ。そんなに絶賛するのは?」

「違うから…月夢は可愛い。世界一だよ…」

///もう、お兄ちゃん。恥ずかしいよ…

~♪♪

携帯から電話が掛かって来た。


「もしもし朝倉?今どこ?」

「あ、志木君 あのね…「もしもし、月夢の兄です。取材陣にもみくちゃにされる前に月夢を安全な場所に確保したので安心して下さい。」

「朝倉のお兄さん?わかりました。本当に凄い人だ。ここにいたら 正にそうなってました。明日朝倉は自宅待機と部長が言ってます。よろしく伝えて下さい。」

「わかりました。月夢に伝えておきます。連絡ありがとうございました。」

「もうお兄ちゃん、私の電話取らないでよ。」


「月夢、明日は自宅待機だから…だけど 安全な場所はそこじゃない。今から翔ん家に行くぞ。」

お兄ちゃん どういう事?私にはさっぱりわからなくて、自宅待機の意味も何故?

お兄ちゃんの頭の中に どんな事を心配して、今動いているのか 私はさっぱりわからずに、外の景色だけが変わるのを ぼんやりと見ていた。




< 136 / 228 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop