* switch *
今日も仕事は暇ではなく 実験のデータをパソコンに打ち込む作業が主。私はデスクワークは余り得意ではないので、集中力が欠けるから よく気分転換をする。今は休憩室に来てお茶をしている。

「あ、朝倉さんだ。ラッキー…」

「お疲れ様です。長谷川さん…」

「この時間に会うの珍しいね。今まで会った事なかったよな。」

「そうですね。いつもはだいたい昼から使ってますから。」

「へぇ良いこと聞いたな!朝倉さんて今もそうだけど 男と距離少し取るよね?」

何で気付くかな?

「志木には その距離がないのは何故?」

「///気のせいじゃないですか?」

「そうかな?じゃあさ…」

いきなり髪を触られる…

「///あっ…」

「ほらね。必要以上に動揺するし、体が拒否してる…」

長谷川さんだから?とか そういう考えはないのだろうか?

「いきなり触るからです…止めて下さい。」

「これセクハラになる?」

「はい、十分そうだと思いますが…」

「長谷川 何朝倉さんを口説こうとしてるんだ?」

他部署の先輩の須藤さんだ。

「お疲れ様です須藤さん。今日後程 試験データーをお持ちしますね。」

「朝倉さん、こんなやつ相手にしたらダメだよ。志木風に言うと 要注意人物だっけ?」

クスクス笑いながら いつかの食堂でこそこそ話をしてたのを聞かれてたんだと気付く。

「///やだ…聞いていたんですか?」

「あのさあ、俺みんなの印象相当酷いね…」

「そうだね…長谷川は黙っていたら イケメン。話せば残念なイケメン。」

「本当だ。須藤さんの的確で分かりやすいです。」

「朝倉さんまで言うのか…ショックで立ち直れそうにないわ…」

「長谷川さん、大丈夫ですよ…あなたは出来る人です。だから これからは気を付けて下さいね。」

ニコッと笑って話す。

「あ~あ。その顔…俺だけの物にするには ものすごく遠い道のりだな…」

ガックリと肩を落とし 長谷川さんは自分の部署に戻って行った。

「朝倉さん言うね~。イメチェンしてから 変わったって感じだね。今までが 大人しく意見なんて言わなかったよね。今の朝倉さんは無敵だね。仕事 頑張って!」

と肩を叩いて 須藤さんは休憩室から出て行った。

私 前とは違うのかな?自分では よくわからないけど、今までとは違うのなら変わりたい。まずは自分が好きな自分になれる様に


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