* switch *

abnormal

自分の家に帰って来た。まだお兄ちゃんは帰っていないから、先にシャワーをして部屋着に着替えた。ドライヤーで髪を乾かしていると 玄関がガチャと開いた。

「ただいま…月夢帰ってるのか?」

「お帰りお兄ちゃん…」

「話がある。でも俺先にシャワーさせて…」

「わかった…待ってるね。」

ソファーでテレビを見ながら待っていたのだけど、昨日余り寝ていないから眠ってしまっていた。

「月夢ここで寝るな…風邪ひくぞ。」

お兄ちゃんの匂いがして、ソファーに起こされる為に 抱きしめるられる。

「お茶入れてやるから、起きて…」

「わかった。寝てしまってごめんね。」

「昨日眠れなかったんだろ?俺が月夢に告ったから…」

「うん。ビックリしたのと どうしたらいいのかわからないから。」

「そっか…」

お兄ちゃんはテーブルに持って来たお茶を置く。私の好きなキャラメルティーで 甘い香りがする。どういう話をしていいか困ってしまい、手持ちぶさたの為にお茶が進む。

さっきから体が熱い…

「ごめんね月夢。俺やっぱりお前が諦められないからズルする。」

ズルって何?

「俺の会社って何してるか知ってる?」

「健康関係の薬や器具 ビタミン剤なんかを開発してるところでしょ?」

「そうだよ。でも…ちょっと怪しい薬とかも作ってるんだよ。それ月夢飲んじゃったし…」

え…だから体が熱いの?

「俺の言う事しか効かない薬だよ。」

「そんな事可能なの?」

「ああ…俺一番に月夢に試したかったよ。」

「どうして?」

「月夢が誰を想ってるか知りたかったから…」

「薬使うなんて 止めて…」

「月夢は誰が好きなんだ?言えよ…」

絶対言いたくないのに…

「翔君がずっと好きなの…」

「そうか…やっぱりな。」

「お兄ちゃん酷いよ。この薬の効果はいつまで?」

「5~6時間位かな…」

「そんなに?」

「ああ、俺の渾身の技術力を舐めんなよ…」

「お兄ちゃん危ないよ…」

「月夢、お前が悪い…可愛い過ぎて 俺の側を離したくないから。また6年前みたいに、手の届かない場所に行かせるのは もぅ無理だから…」

え…私が留学した時の話を行ってるの?お兄ちゃんは そんな前から私を独占しようと思ってたの?

「今日は今からずっと 月夢は俺のもので拒否権はないから…」

何をするつもりなの?頭では拒否っているのに、お兄ちゃんに連れられて お兄ちゃんの部屋に素直に付いて行く私を止める事は出来ないでいた。




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