『来年の今日、同じ時間に、この場所で』

再開

同窓会の日から
忘れかけていた あのモヤモヤな気持ちは
日に日に大きくなっていった。

約束の日にベンは何をしてたのか。

シャーペンを今も持ってくれているのか。

【知らない】と言ったベンの気持ち。

下唇を噛んだ未来。

聞きたいことは いっぱいあるのに誰にも聞けなくて…
考えても解決しないのは、わかってるのに
何も動き出せない。


きっと
ベンに会うことは2度とないと思う。
だから
このまま時間が解決してくれて、なにもかも忘れさせてくれる。

臆病な私はそれを期待して
いつかそんな日が来るんだって…
それだけを思って
毎日出来る限り平常心で過ごしていた。

それを後押ししてくれるかのように
仕事も徐々に忙しくなっていき
未来や千秋に連絡をする時間もなくなっていった。



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