『来年の今日、同じ時間に、この場所で』

空白の時間

同窓会から3ヶ月ほど経っただろうか…
ベンとの再開は1度きりで
未来や千秋とも連絡を取ることはなかった。


会えない時間が、より私の中のベンの居場所を拡げていく。


もう忘れていたはずなのに…
毎日忙しくても、ベンのことを考えてしまっていた。


約束の日から10年経っても、
何もしない自分につくづく後悔した。

再開して、ようやく動きはじめた時間
今度こそ無駄にしたくない。


そう思った。



重い腰をあげ、未来に連絡をとった。
電話ではなくて会って話をしようと言われてから彼女に会えたのは
それから1ヶ月先のことだった。


これまでのベンの歩んで来た
私の知らない時間が知りたい。


知ってどうするかは、まだ決めてない。

でも、何もしないでいることに嫌気がさしていた。

今日でやっと
このモヤモヤした気持ちに終止符が打てる。


未来に会うまでは、そんな風に簡単に思っていた。


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