ONLY YOU~愛さずにはいられない~(完)
「お昼行って来ます…」

「あぁ」
羽島課長にひと声かけて、フロアを出た。
フロアを出て廊下に出ると人だかりが出来ていた。

私が目の前の光景に目をパチクリさせているとその人だかりの中心から伊集院さんが出て来た。

上品な生地で誂えたオーダーメイドの紺のスーツ姿の伊集院さんが私に向かって歩み寄って来た。

「間宮さんに話があって来た」
伊集院さんが誰を待っていたのか確かめると皆は嫉妬深そうな視線を私に投げ、蜂の子を散らすように各々のフロアに戻った。


「私…これからお昼なんですけど…」
「そうじゃ一緒にランチを食べながら話をしよう」

「それは無理です」

私は持っていたランチバックを見せた。

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