ONLY YOU~愛さずにはいられない~(完)
「サイズが無くて、お取り寄せになったヒールもつけておいていい?」

「あぁ、頼む」

洋服の総額は恐ろしい金額になっていた。
「分割でいいですか?」
「これは必要経費だ。気にするな」

「でも・・・」

「璃愛さん、気にしないで…康兄は高給取りだから…」

「今日はこのまま彼女と食事に行くから…これとこれは持って帰る」
二、三着、服をチェイスし、淳乃介君に渡した。
「分かった…待ってて…」
「後は配達で」

「わかった」
淳之介君は康秋さんがチェイスした服を紙袋に入れて、彼に渡した。

「またのお越しをお待ちしています!!康兄」
「あぁ」
康秋さんは私の肩を強引に抱いて、外に出た。
夜の帳はすっかり下りた街。

「知り合いのメイクアップアーティストにメイクの指導をして貰うのは後日にしよう」

美容院と服選びでタイムオーバー。

「メイクなら、自分でできます」

「君のメイクでは変身できない。つーか眼鏡を何とかしないと」

彼は私の眼鏡をジーッと見つめる。

「コンタクトは持ってないの?」

「コンタクトはありますけど…」

「じゃ明日から着けて来て…明日の夜は最上階のバーに行くから…」

「はい…」

「絶対だぞ」

「はい…」

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